ポストイットの開発秘話に学ぶ、『失敗は成功のもと』のメカニズム


公開日:2016年1月24日 [ 記事 ]
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うわっ……。また失敗しちゃったよ……。

そんな落ち込んでいしまいそうな出来事の裏に、人生を変えてしまうほどの大きなチャンスが隠されていた――。

私たちの人生の中には、そんな出来事が少なくありません。

実は、ちょっとしたメモ書きや、しおり、アイディアの整理などで大活躍する「ポスト・イット※」も、失敗がきっかけで生まれた製品でした。

日本人でお世話になったことが一度もない人などほとんどいないのではないかと思えるほどの大ヒット製品が、失敗作から生まれたというのですから、ちょっと驚きです。

まさに、『失敗は成功のもと』という格言を地で行く製品開発ストーリーです。



ポスト・イットに書かれた『失敗は成功のもと』ということわざ


とはいえ、このエピソード自体は有名な話で、ビジネス書などでもよく取り上げられる、言ってみれば「定番ネタ」です。

そこで、今回の記事では、ポスト・イットの開発の中で、『失敗は成功のもと』ということわざが現実になったメカニズムを探ってみたいと思います。

もちろん、そのメカニズムにはいろいろの要素があるとは思いますが、この記事では、いわゆる「引き寄せの法則」という視点から考えてみたいと思います。

もちろん、「引き寄せの法則」などと言うと、怪しいと響きがあるのは事実ではあります。

しかし私は、一見怪しい「引き寄せの法則」の中にも、地に足をつけて現実的に考えても、人の人生を大きく変えてしまえるだけの真実が含まれていると思っています。

そして、そのようなテーマで「引き寄せの法則をちょっと科学的にシリーズ」と題した記事を書いてきました。


と言うわけで、今回の記事では「ポストイットの開発秘話」を教科書にして、失敗を成功に変えてしまうメカニズムを探ってみたいと思います。

※ ポスト・イットは、スリーエム社の登録商標です。

ポスト・イットの開発ストーリー ― 『失敗は成功のもと』の実践

まずは、その準備として、ポスト・イットの開発ストーリーを簡単に紹介しておきましょう。

ポスト・イットを開発したスリーエム社のWEBサイトから引用します。


1968年のことです。3M社中央研究所の研究者、スペンサー・シルバーは、接着力の強い接着剤の開発要求を受け、実験を繰り返し試作を重ねるうちに、ひとつの試作品を作りあげました。ところがテスト結果は期待していたものとは全く違っていたのです。「よくつくけれど、簡単に剥がれてしまう」、なんとも奇妙な接着剤ができあがりました。接着剤としては明らかに失敗作でした。通常こうした失敗作は棄てられてしまうものですが、なぜかその時シルバーはそうしなかったのです。顕微鏡を覗いた彼は、従来の接着剤には見られないふしぎな現象を目にしてすっかり虜になってしまったのです。そして彼は直感しました。「これは何か有効に使えるに違いない!」



スリーエム社の研究員だったシルバーさんが、強力な接着剤を開発しようと実験を繰り返していると、「よくつくけれど、簡単に剥がれてしまう」接着剤がでてしまったそうです。

そして、その接着剤が、何かの役に立つと直感したといいます。

このようにサラっと書かれてしまうとあまり実感できませんが、これはかなり凄いことです。

考えてみてください。

例えば、あなたがパンを焼くことに挑戦していたとして、焼いても焼いても、上手く焼けずに焦げてしまっていたとしましょう。

「今回で何度目の正直なんだろう」などと思いながら、もう一度挑戦したのですが、やはり焦げてしまいました。

けれども、今回は様子がいつもと違って、少し奇妙な焦げ方をしています。

そんなとき、あなたは、「この“焦げ”は大発見かもしれない!」と思いますか?

それとも、「また焦げてしまった……」、と思いますか?

私なら、間違いなく「また焦げてしまった……」と思うだろうと思います。焦げ方の様子がいつもと違うことにすら気付かずに、食べれる場所はないか一通り見た後に、焦げた部分は捨ててしまうかもしれません。

もしかしたら、その微妙な焦げ方の違いを追及することで、新しい画期的な調理器具の開発などにつながるかもしれないにもかかわらずです。

(ただし、この追及は、私にとっての“楽”ではありませんから、追及をしないことは、決して悪いことだとは考えていません。このことについては、また後ほど触れようと思います。)


けれども、シルバーさんは違いました。

シルバーさんは、強力な接着剤を作ろうとして実験を繰り返し、新しい試作品を何度もつくっては捨て、つくっては捨てを繰り返していたことでしょう。

そんなときに出来たのが、「簡単に剥がれてしまう」接着剤です。

もちろん、「簡単に剥がれてしまう」接着剤は強力な接着剤ではありませんから、明らかな失敗作です。焦げてしまったパンのようなものです。

普通なら、「また失敗してしまった……」とがっかりしてしまっても、何の不思議もありません。

けれども、シルバーさんは、この接着剤は何かに使えると直感しました。

そして、実際に行動を開始しました。


その日からシルバーは社内のあらゆる部門の人たちにこの発見を紹介し、見本を配り、使いみちはないか、新しい用途開発ができないだろうか、と会社中を歩きました。具体的なアイデアはなかったものの、この接着剤が大きなビジネスを生み出すのではないかという漠然とした予感に突き動かされていたのです。



なんと、シルバーさんは、「失敗作」の接着剤を社内中に紹介してまわったそうです。

考えてみれば、これも凄いことです。


だって、考えても見てください。

あなたなら奇妙な焦げ方をしたパンを見せて回ろうなんて気持ちになれますか?

失敗作を人に見せるなんて恥ずかしい」とは思いませんか?


あるいは、そのパンを捨てたゴミ箱をしばらく置いておいたら、その奇妙な焦げ方をした場所の近くだけ周囲とは違うカビが生えてきたとしましょう。

これならどうでしょう?

なんか、奇妙な焦げ方をしたパンがあるんだけど、その焦げの近くだけ、普通のパンと違うカビが生えてきた。なにか使い道ありますか?

あなたなら、誰かにこんな問いかけをするでしょうか……?

現代なら、色々なコミュニケーションツールがありますから、例えば、微生物の研究者にメールで問い合わせを入れることだって出来るはずです。

でも私なら、「うわ!変なカビが生えてきた!毒だったらどうしよう」と焦って、ゴミ袋の口を閉じて捨てると思います。

もしかしたら、それは、その奇妙な焦げの部分で微生物の活動に影響を与える未知の物質が生成されたからかもしれないにもかかわらずです。

仮にですが、実際に、その焦げの中から画期的な薬効成分が発見されたこととして考えてみましょう。

もし、そのエピソードが有名になったとしたら、そのエピソードを後から知る人にとっては、この発見はごくごく自然な流れに見えるかもしれません。

パンを焼いているときに、たまたま奇妙な焦げが出来て、それを放っておいたら、その焦げの周辺だけ普通とは違うカビが生えてきて、科学者にそれを見せたら、この成分が見つかったんです」という具合です。

後から見れば、綺麗にストーリーが流れているように見えます。

しかし、その場にリアルタイムに居合わせたとしたら、このゴールが見えていない奇妙なカビが生えてきた段階で、「これは何かある!」と思えた人など、ほとんどいないはずです。


「簡単に剥がれてしまう」接着剤にも同じことが言えるのではないでしょうか?

ポスト・イットを知っている私たちにとっては、「簡単に剥がれてしまう」接着剤と聞いて、「確かに何かに使えそうかもね」と思えるかもしれませんが、その場にリアルタイムで居合わせた人にとっては、「簡単に剥がれてしまう」接着剤に可能性を見いだすのは簡単なことではなかったかもしれません。

実際、ポスト・イットのアイディアが出てくるのは、「簡単に剥がれてしまう」接着剤が出来てから5年後のことだったといいます。


3Mには、執務時間の15%を自分の好きな研究に使ってもよいとする「15%カルチャー」という不文律があります。このおかげで、奇妙な接着剤を持って社内の人々に意見を求めてまわるシルバーの行動をとがめる人はいませんでしたが真剣に耳を貸そうとする人もありませんでした。コマーシャル・テープ製品事業部の研究員、アート・フライもその一人でした。特別関心を持ったわけではありませんでしたが、フライの記憶にはしっかりとその接着剤のことが焼きつけられていたようです。
1974年のある日曜日、教会の聖歌隊のメンバーであったフライは、いつものように讃美歌集のページをめくりました。すると目印に挟んでいたしおりがひらりと滑り落ちてしまいました。またか…と思った瞬間、フライの頭の中にひらめくものがありました。「これに、あの接着剤を使えばいいんだ!」5年前にシルバーが作り出した奇妙な接着剤の用途がこの時初めて具体的なイメージとなったのです。
翌日から、フライは15%カルチャーを活用して「のりの付いたしおり」の開発に取りかかりました。



ようやくポスト・イットのアイディアが出てきたのは、シルバーさんが「簡単に剥がれてしまう」接着剤を発見してから、5年後のことでした。

このアイディアを発案したのはフライさんという方で、このフライさんが、これからポスト・イットを商品化していくことになります。

もう少し続きを読んでみましょう。


この「のりつきしおり」を開発するにあたって重要なのは、必要なときはしっかり貼りつき、用がなくなれば簡単に剥がれること。もちろんページが破れたり、汚れたりすることがあってはなりません。これら条件をクリアするために接着剤の濃度を工夫し、試作を続け、ようやく完成した試作品を手にした時、フライはさらに重大なことに気が付きました。
「これは単なる『良いしおり』としてでなく、製品自体が貼ったりはがしたりできる機能を備えたまったく新しいメモ・ノート、すなわちコミュニケーションツールとして使える!」
フライは定められた業務の合間に、この新しいメモ用紙の本格的な製造技術開発に取りかかりました。3Mには15%カルチャーのほかにも「ブートレッギング(密造酒づくり)」という不文律があります。これは、たとえ上司の命令に背くことになっても、自分の信じる研究をするために会社の設備を使ってもよいというもの。もちろんフライも、さまざまな部門に相談し、協力を求めていきました。エンジニアたちは皆、快く相談に乗ってくれましたが、実際に製造技術を開発しようとなると、いろいろな難しい問題が山積みされており、簡単には進みませんでした。




「のりつきのしおり」の開発を始めたフライさんは、これは、単に本に挟んでおくだけの「しおり」にしておくのはもったいない製品で、貼りつけられるメモとして使えることに気付いたそうです。

そして、「15%カルチャー」や「密造酒づくり」などの制度(不文律)を利用して、ポスト・イットの開発を進めていくことになります。

しかし、ポスト・イットが完成するまでには、乗り越えなければならない壁が、まだまだあったようです。


本格的な製造に向けて、エンジニアたちに相談を持ちかけたフライですが、返ってくるのは「それは非常に難しい問題だ」という答えばかりでした。この新しいメモ用紙には、片側の全面でなく、貼りつけたい部分だけに接着剤を塗布しなければなりませんし、ロール状ではなく板状でなければなりません。そんなものを製造する機械を3Mは持っていません。たとえ、製造するにしても非常に困難であるというのが皆の意見でした。しかし、フライは落胆することなく言いました。「それは素晴らしい。簡単なら誰でも真似できるが、そんなに難しいのなら他社は真似できないだろう!」。フライは自ら製造機を設計しつつ、なおも「できない」と主張するエンジニアと連日議論を戦わせていきました。
そんなある朝、製造機の原形ができあがっていました。なんとフライは、自宅の地下室で着々と機械を組み立てていたのです。しかし、困ったことに、機械があまりにも大きくて、地下室のドアを通ることができませんでした。やむなく壁を壊し、地下室から工場に運び込まれた機械は改良に改良を加え、フライが言ったとおり他社には到底真似のできないものに仕上がりました。
このように2年以上の時間をかけて製造機を完成させ、ようやくポスト・イット® ノートの本格的な試作品が完成することになります。




「簡単に剥がれてしまう」接着剤の効用を見抜いたシルバーさんの慧眼もさることながら、このフライさんの行動力にも驚かされるものがあります。

多くの技術者に「難しい」と言われながらも、2年以上もの時間をかけて、自宅の地下室に製造装置をつくり、壁を壊すことまでして工場に持ち込んだというのです。


そして、そんなフライさんの情熱の甲斐もあって、ポスト・イットは大ヒット!

……と言いたいところですが、ポスト・イットが世に出るまでには、まだ越えなければならない壁が現れることになります。

ポスト・イットの開発秘話と「引き寄せの法則」

あまり書いてしまうと長くなりすぎてしまうので、その壁については、スリーエム社の公式サイトの記事を紹介しておきます。


【 ポスト・イット®ノート 不屈の魂が生んだ世界のオフィスの必需品 】


ここでは、これまでに「引き寄せの法則をちょっと科学的にシリーズ」で紹介した考え方を利用しながら、ポストイットの開発ストーリーの中で、いかにして「失敗は成功のもと」のことわざ通りのことが起こったのかにつて考えてみましょう。

と、その前に……。少しだけ補足説明として、引き寄せの法則について説明しておきましょう。

詳しくは、「引き寄せの法則をちょっと科学的にシリーズ」の記事を読んでみてください。

引き寄せの法則とは、ひとことで言ってしまえば「思いは実現する」という法則です。

引き寄せの法則をちょっと科学的にシリーズの中では、「その人の“信じていること”、“考えていること”、“心に思い描いたこと”が、その人の現実になる方向へとはたらく作用」という定義を採用しました。


ところで、ポスト・イットの開発のきっかけは、スリーエム社のシルバーさんが、強力な接着剤を開発するための実験中に、「よくつくけれど、簡単に剥がれてしまう」接着剤を、意図せずつくってしまったことに始まります。

強力な接着剤をつくりたいという視点からは、明らかな失敗作です。

しかし、その「明らかな失敗作」が、後にポスト・イットとして大成功するわけです。

この、失敗を成功に変えてしまうプロセスの裏に、「引き寄せの法則」のメカニズムが働いていたのだとするなら、次のことが言えるでしょう。


シルバーは、「これは成功する」という想いを持っていた。


それは、そうでしょう。

「思いは実現する」という引き寄せの法則のはたらきで、「失敗が成功のもと」になったのだとしたら、その裏には当然、「成功するという思い」がなければ辻褄があいません。


たしかに、ポスト・イットの生みの親であるシルバーさんは、「成功するという思い」を持っていたでしょう。

なぜならば、シルバーさんは、この接着剤は何かに使えるに違いないと考え、社内の仲間に紹介します。

ここが、最初のポイントです。

ごくごく当たり前のことを、もっともらしく書いてしまって申し訳ないのですが、シルバーさんが「この接着剤は、何かに使える!」と仲間に紹介したということは、シルバーさんはその接着剤をただの失敗作だとは捉えていなかったということです。

もしここで、シルバーさんが、「剥がれやすい接着剤」を失敗作と見なして捨ててしまっていたとしたなら、このあとの物語はどれひとつとして起こらなかったことでしょう。

これこそが、ポスト・イットの開発ストーリの始まりです。


このことを、もう少し回りくどい表現で書いてみましょう。

想像してください。

この世に2つの並行世界があったとして、シルバーさんもそれぞれの世界に生きていたとします。

1人のシルバーさんは、「簡単にはがれてしまう接着剤」を“失敗作”だと見なしましたが、もうひとりのシルバーさんは、“何かに役立つ画期的な新発見”だと見なしたとします。

この2つの世界には、それぞれ、どのような力がはたらくでしょうか?

  • 「簡単にはがれてしまう接着剤」が、“失敗作”だと見なされた世界。
    その世界では、シルバーさんの「その接着剤は“失敗作”である」という考えが、現実になる方向の力が働く
  • 「簡単にはがれてしまう接着剤」が、“何かに役立つ画期的な発見”だと見なされた世界。
    その世界では、シルバーさんの「その接着剤は“何かに役立つ”」という考えが、現実になる方向の力がはたらく

なぜならば、「“失敗作”のために無駄な時間を使うこと」も、「“何かに役立つ画期的な発見”を捨ててしまうこと」も、認知的不協和を引き起こすからです。

だから、“画期的な発見”は何かに活かそうとされますし、“失敗作”は捨て去られようとするはずです。

認知的不協和については、参考記事をご覧ください。

【 参考記事 】

なんにしても、シルバーさんの想いが現実になる方向の力が働いているのですから、これはまさしく、「引き寄せの法則」が主張する通りのことが起こっているということになるでしょう。


そして、シルバーさんが「簡単にはがれてしまう接着剤」を“画期的な発明”と見なすか、“失敗作”と見なすかの背景には、“観念”の作用も潜んでいたでしょう。

【 “観念”についての参考記事 】

例えば、「目標の達成以外はすべて失敗」という仕事観をもっていれば、「簡単にはがれてしまう接着剤」は“失敗作”に見えるはずです。

一方で、「新しい現象に出会ったら、そこにはきっと成功の種が潜んでいる」という人生観をもっていれば、一見、失敗に見えることが“画期的な発明”に映るかもしれません。

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ポスト・イットの開発秘話と引き寄せの法則 ― カクテルパーティー効果から考える

さてさて。シルバーさんの、この“想い”によって、次の段階に進んだポスト・イットの開発ストーリー。

次の鍵を握るのは、同じくスリーエム社のフライさんです。

フライさんは、「何かに使えるはず」と期待されながらも、具体的な使い道が決まっていなかったその接着剤の使い道を見いだします。

「しおり」が落ちてしまうことに不便を感じたときに、「のり付きのしおり」をつくることを思いついたのです。

実は、この出来ごとにも、「引き寄せの法則シリーズ」で説明してきた作用が関係してきます。

このフライさんのインスピレーションを説明するためには、例えば、カクテルパーティー効果(選択的注意)の考え方を使うのがわかりやすいのではないかと思います。

カクテルパーティー効果というのは、自分の興味がある情報には、選択的に注意が集中される現象のことでした。


【 参考記事 】


どういうことかといえば、フライさんが、「簡単にはがれてしまう」接着剤の使い道を探していたからこそ、「しおりが落ちる」という誰でも経験があるようなごくごく普通のことが、大きな意味を持ったということです。

当たり前のことですが、もしフライさんの中にその接着剤の使い道を探す意識がなければ、その出来事は、ただ単にしおりが落ちただけの記憶にも残らないような出来事として過ぎていったでしょう。

「新しい接着剤を何かに役立てる」という意図があったからこそ、カクテルパーティー効果で、その意図が現実になる方向の力が働いたのだと見ることができるのです。

参考記事に張り付けた動画の実験にチャレンジしてみると、このことが実感できるかもしれません。(初めてやった時には、本当にびっくりするので、是非チャレンジしてみてください。)

ポスト・イットの開発秘話と引き寄せの法則 ― セルフイメージから考える

フライさんの思いつきもあって、ようやく使い道が見えてきた「簡単にはがれてしまう接着剤」。しかし、まだまだポスト・イットは形にはなっていません。

せっかくのアイディアも、それを形にする製造技術がなければ絵に描いた餅になっていまいます。

フライさんは、その製造技術を開発するために、なんと自宅の地下室に設備をつくってしまいました。それも、「それは難しい」と、他のエンジニアたちに言われていたにもかかわらずです。

このことを引き寄せの法則的な視点から見ると、どのように読み解けるでしょうか?

まず言えることは、フライさんは、「自分にはその製造装置の立ち上げができる」というセルフイメージをもっていただろうということです。

セルフイメージという言葉については、参考記事を読んでみてください。


【 参考記事 】


これまた当たり前のことではありますが、もしフライさんが「自分には出来ない」と思っていたとしたら、まさか自宅の地下室に製造設備をつくろうなどと考えることはなかったでしょう。

「できる」というセルフイメージがあったからこそ、フライさんは、製造装置の開発に力を注ぐことが出来たのだと考えられるのです。


もう少し詳しく説明しましょう。

例えば、もしフライさんが周囲のエンジニアたちが言っている「できない」という観念に染まってしまったとしたらどうでしょう。

まず、「カクテルパーティー効果(選択的注意)」や「確証バイアス」の作用によって、「そんなことを実現するのは不可能だ!」と思わせてくれる証拠が次々と見つかるはずです。

よく言われる、「出来ない理由を探す状態」ですね。


【 参考記事 】


これは、「そんなこと、できっこない」という観念が、「できない理由だらけの世界(を自分が体験すること)」を引き寄せるのだと言うことができるでしょう。

観念が、その観念に沿った世界を引き寄せることについての参考記事も紹介しておきましょう。


【 “観念”についての参考記事 】


また、「出来るわけがない」という観念を持っている人が、上司の命令で仕方なく、「そんなの、出来るわけないよなぁ……」とため息をつきながら、その技術に挑戦したとしたら何が起こるでしょうか?

そんな場合には、不可能(と信じている)なことのために時間を使っているのですから、認知的不協和が起こり、「なんで、こんな無駄なことしてるんだろう」とストレスを感じることになります。

そんな人が、もし、自宅の地下室で製造装置の開発に取り組んだりしようものなら、とんでもない認知的不協和(ストレス)が起こるはずです。

(認知的不協和についての参考記事も紹介しておきます。)


【 参考記事 】


「できない」という観念が、行動を起こすことへの強力なブレーキになってしまうのですね。

自宅に設備をつくってしまうというのはさすがに極端な例だとしても、この心理的なメカニズムについては納得していただけると思います。



このように考えると、たしかに、「出来るわけがない」という“観念”が、「本当にそれが出来ないことを体験させてくれる世界」を引き寄せる傾向がありそうなことはわかりました。

では逆に、「きっと、出来る!」という観念をもっていたとしたら、何が起こるのでしょうか?

その場合には、先ほどとは逆のことが起こるはずです。

カクテルパーティー効果(選択的注意)」や「確証バイアス」は、「出来るだろう」と思わせてくれる証拠を見つけ出し、行動を後押ししてくれます。

そして、その効果は、「気持ちの面での後押し」だけには、とどまりません。

例えば、どうしても必要だけれども、それにぴったりな部品が見つからないということがあったとします。

そんな時、ふとした“ひらめき”で、日常的によく見かける物を、これまで考えたこともないような方法で使うことで、その部品として代用できることに気がつくことがあるかもしれません。

白チームに目を向けると黒チームが見えなくなる現象」と同じように、「出来る」という観念が、まったく同じ光景の中から、「出来る」ことにつながる景色(“インスピレーション”)を引き寄せることがあるのですね。


また、「出来る」という観念を持ちながら、「実際には出来なかった現実」に出会うことは認知的不協和を引き起こしますから、その「出来る」という現実に向けて行動することを後押ししてくれます。

先ほども紹介しましたが、認知的不協和についての参考記事を紹介しておきます。

【 参考記事 】


そして、この「きっと、出来る!」という感覚は、さらに「ある現象」を引き寄せることにもつながります。

その現象というのは…………。

フロー現象”です。

「きっと、出来る!」という感覚と、フロー理論

自宅の地下室で製造装置を立ち上げているときのフライさんは、少なからず“フロー状態”にあったのではないかと、私は思っています。



フロー状態:時間も忘れるほどに何かに没頭して楽しんでいるような状態



なぜならば、自宅の地下室に製造装置をつくってしまうほどのことは、その仕事になにかしらの情熱や楽しさを感じていたのではないかと思うからです。

誰に何と言われようが、俺はこれをつくってみたいんだ!」という、やってみたくてやってみたくてウズウズしている感覚が伝わってくる気がするのです。

そこまでやってしまう背景には、まず間違いなく、そういったワクワク(内発的動機)があったのだと思います。

もしそれが、「出世したい」とか「人に認められたい」というような動機(外発的動機)だけであれば、自宅の地下室に設備をつくってしまうほどのことはできないでしょう。


【 参考記事 】



上に書いたセルフイメージの問題は、実は、この“フロー状態”に入れるかどうかにも大きく関係してくると考えられます。

なぜならば、“フロー状態”に入ることができるかどうかの重要なポイントとして、“適度な難しさ”と、“適度な「できる」という感覚”が必要だからです。

もっとわかりやすく言えば、「ちょっと難しそうだけど、挑戦すれば出来るかもしれない」という感覚です。

もし、難易度が低すぎれば退屈してしまいます。

例えば、大人に幼児向けの問題をやらせるような状態ですね。

これでは、「簡単過ぎて、つまらない」となってしまいます。


逆に、あまりにも難易度が高すぎても、出来る気がしなくて途方に暮れてしまいます。

生まれて初めてスキー板を履いた人を、コブだらけで急斜面の上級者コースに、いきなり連れていくような状態です。

これでは、楽しむどころか、どうやって下に降りようかと途方に暮れてしまいます。


このような視点から考えると、フライさんにとってのポスト・イットの製造装置の開発は、ちょうどよく、難易度と「できる」という感覚のバランスのとれた“フロー状態”に入りやすい仕事だったということなのかもしれません。

また、3M社のWEBサイトからの引用分の中にあった、「15%ルール」や「密造酒づくり」などの文化も、“フロー状態”に入ることを助けてくれる効果をもっています。


【 参考記事 】

『失敗は成功のもと』と、“和楽の道”

ところで、「15%ルール」にしても、「密造酒づくり」にしても、このような文化が認められ、実際に機能していたということは、3M社と従業員の間には信頼関係が出来ていたということでしょう。

どういうことかと言えば、従業員が“楽”(会社の設備を使うために上司の取るための説明プロセスを省略して楽に仕事を進められるようにしたり、自分がやりたいと思える仕事をすることを許して、仕事を楽しむことを助けたり)に働くことが、会社の“和”(経営が成り立つこと ≒ 現代社会の主な価値観では、お金が儲かること)につながっているということです。

そして、それとは逆に、会社に“和”(従業員を“楽”にさせておいても、というよりも“楽”にさせているからこそ、経営が上手くいく≒「利益が出る」という信頼)があるからこそ、より従業員が“楽”を出来る環境ができあがるということでもあります。

このように“全体の和を取り繕う”ために個人の“楽”を奪うのでもなく、全体のことなど気にもかけない個々人が、“和”を乱してまで“見せかけの楽”を追い求めるのでもなく、“和”と“楽”が循環して、互いに成り立たせ合うような状態が、私が言っている“和楽”の一側面です。


【 参考記事 】


ですから、念のために書いておこうと思います。

この記事を読むと、何か失敗に見える出来事があってもその中に成功の種を見い出し、困難にぶつかることがあっても信念を曲げず、高いセルフイメージを持って、「できる」と信じて前に突き進んでいくことが、より望ましい生き方なのだと思われるかもしれません

しかし私は、それがあなたの“和楽”につながらないのであれば、深追いする必要はないと思っています。

もし、パンがいつもとは違う奇妙な焦げ方をしても、鍋が吹きこぼれても、育てていた植物が枯れてしまっても、何でもかんでも探究する必要があるわけではないということです。

興味がなければ、焦げたパンは捨ててしまいましょう。

しかしもし、あなたが調理方法や調理器具に興味があるのなら、焦げたパンや吹きこぼれた鍋は、格好の研究材料になるはずです。

植物を育てることに喜びを感じるのなら、枯れてしまった植物も、教訓になるはずです。

あなたに“楽”をもたらしてくれることを、あなたと世界の“和”につながるように深めていけばいいでしょう。


具体的な方法については、無料公開中のメール講座「あなたの人生を取り戻す、8つの質問や、そのメール講座の終了後にプレゼントしている真実の人生が参考になると思います。

(もちろん、どのような生き方をするのかは他人が口を出すようなことではありませんので、この考え方に違和感を感じたら無視して頂いて、まったく問題ありません。)


というわけで、ポスト・イットの開発秘話を教科書にして、『失敗は成功のもと』のメカニズムを探ってきた今回の記事。いかがでしたでしょうか?


今回の記事では、ひととおり『失敗は成功のもと』のメカニズムを考えたうえで、

あなたにとっての“和楽”につながることについては、『失敗は成功のもと』になるように意識してみてください。しかし、そうでないのなら失敗は失敗としてゴミ箱に捨ててしまいましょう!

という結論になりました。


しかし実は……。

私は、この観念による『失敗を成功してしまうメカニズム』の裏には、もっと大切なメカニズムが隠されているのではないかと考えています。

それについては、いずれ、機会があれば書きたいと思います。


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