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新しい現実の萌芽!“真実の人生”が当たり前の世界へ


公開日:2013年8月18日( 最終更新日:2014年9月1日 ) [ 記事 ]
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世界は、そんなにも速く変わっているのか!?

つい先日のことです。私は一通のメールを読んで、思わず驚いてしまいました……。

このサイトでは、「内なる情熱」を生きること、自分がやりたいことや、意味を感じられることをして生きていくことの大切さについて、いくつもの記事を書いてきました。

しかし、多くの人にとっては、そんな話はまるで夢物語で現実感のない話なのではないかと思います。

「夢見るのもいいけどさぁ、もっと現実を見ようよ。現実を。」

そんな声すら聞こえてきそうで、まるで、親の反対を押し切ってミュージシャンを目指す高校生にでもなったような気分です。

ところが、そんな「現実」も音を立てて崩れ去り、新しい「現実」が生まれようとしている、その萌芽を象徴するような出来ごとに出会ったのです。


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それは、1通のメールが届いたことから始まります……。

そのメールというのは、天外伺朗さんが発行するメールマガジンで「天外レポート」と題したメールでした。

このメールについてはあとで触れることにして、まずは天外伺朗さんについて紹介しておきましょう。

天外伺朗さんは、元ソニーの技術者・上席常務で、CD(コンパクトディスク)やAIBO(犬型ロボット)を商品化したことで知られています。

その一方で、アメリカ・インディアンの長老から「聖なるパイプ」を授けられ、天外さん自身も「長老」に列せられるなど、一般的な大企業の技術者で役員というイメージからは、かけ離れた一面も持ち合わせています。

そして、成果主義などの「合理主義経営」を厳しく批判し、「人間性経営学」という経営論と打ち立て、同様に、教育改革や医療の改革にも取り組んでいます。

<参考:「天外伺朗プロフィール」株式会社 office JK WEBサイト(記事執筆時点)より>


チクセントミハイ博士の「フロー理論」と、天外伺朗さんの「人間性経営学」

この天外伺朗さんが提唱する新しい経営論や教育論はどのようなものなのでしょうか?

このことについて書く前に、ある1つの言葉の説明をしておきましょう。

その言葉というのは、“フロー”という言葉です。

天外さんの著作を読んでいると、頻繁に“フロー”という言葉が出てきます。

この「フロー」というのは、チクセントミハイ博士というアメリカの心理学者の「フロー理論」という理論の中に登場する考え方です。

この「フロー」というのは、単純に一言で言ってしまえば、「時間も忘れるほど、何かに熱中した状態」のことを言います。

最近は、書店などでも、この「フロー」という言葉を見かけることも多くなってきており、徐々に注目が高まってきているのではないかと思います。


ちなみに、私自身も天外さんの影響で「フロー理論」を知り、「フロー理論」から影響を受けています。

そして、この「フロー理論」については、しっかりと「フロー」をメインに扱った記事を書こうと思っており、その後で、サイト内で「フロー」という言葉を使うようにしようと思っていました。

そう思ってはいたのですが、今回は天外さんのメールを受けて、ちょっと早いですが、このタイミングで使い始めることにしました。

もちろん、「フロー」についての記事は、今後書いていくつもりでいますので、ご期待いただければ幸いです。



さて。話がズレてしまいましたが、天外さんも、このチクセントミハイ博士の「フロー理論」から大きな影響を受けているようで、天外さんの提唱する新しい経営論の中でも、教育論の中でも重要な位置づけとなっています。

例えば、「人間性経営学」については次のように語っています。

企業経営の「新しい潮流」が台頭してきた。いま、それに気づいている人は、世界中にほとんどいない。私自身、2004年2月にチクセントミハイ教授の講演(アメリカ、モンタレー市)で、「フロー経営の秘密は、ソニーの設立趣意書に書いてある。」と聞いて、パニックに陥ったくらいだ。

おりしもソニーは、アメリカ流の「合理主義経営学」を導入した結果、業績が急降下しており、(2003年4月ソニーショックとして知られている)、社内は地獄の様相を呈していた。私は、CD,NEWS,AIBOなどの開発チームで体験した「燃える集団」と名づけた不可思議な現象と同じことが、創業期のソニーでは全社をあげて起きており、その謎は、チクセントミハイの「フロー理論」で読み解けることに気づき、わざわざアメリカまで彼の講演を聞きに行ったのだ。

その答えが偶然、いきなり示されただけでなく、ソニーを破壊した「合理主義経営学」の輸出元のアメリカで、アメリカ人相手に「フロー経営」が語られたので、パニックになったのだ。その後、ガルウェイの「インナーワーク」、深層心理学、トランスパーソナル心理学などを参照し、「人間性経営学」として、体系化した。この新潮流を実践している企業は、まだほんの少数だが、「非常識経営の夜明け」では、創業期のソニー以外に28社を紹介している。

おそらく、テイラー以来企業の進化を約100年間支えてきた「合理主義経営学」は、そろそろ役目を終ろうとしており、今後のガイドラインは、「人間性経営学」に移行していくだろう。

天外伺朗 メッセージ」 株式会社 office JK WEBサイト(記事執筆時点)より

天外さんが携わった画期的な開発の裏には「燃える集団」という現象が起こっており、この「燃える集団」は「フロー理論」で説明ができるといいます。

さらに、元気に成長を遂げていた初期のソニーでは、会社全体が「フロー」に入っていたということです。

天外さんの「人間性経営学」について書かれた著書『マネジメント革命』や『非常識経営の夜明け』などを読むと、その経営論の重要なテーマとして、この「フロー状態」、「時間も忘れるほど、何かに熱中した状態」をいかにつくりだすか?ということが語られています。

このことについては、ここで詳しく書き始めると、それだけでいくつも記事が書けてしまう内容ですので、詳しくは天外さんの著書を読んでみてください。また、下で天外さんの動画も紹介したいと思います。

また、別の記事で紹介したダニエル・ピンク氏の『モチベーション3.0』も参考になるかと思います。

(ちなみに、この記事を書いている2013年8月時点で、『マネジメント革命』はハードカバー版は絶版になっているようですが、文庫版が出ているようです。『非常識経営の夜明け』については、残念ながら中古を探すしかないようです。興味がある場合は、下の画像からどうぞ。)

マネジメント革命 -「燃える集団」をつくる日本式「徳」の経営 (講談社プラスアルファ文庫)   非常識経営の夜明け 燃える「フロー」型組織が奇跡を生む 人間性経営学シリーズ2


天外伺朗さんのTEDプレゼンテーション

「モチベーション3.0」-常識を覆す、やる気を引き出す科学的方法』という記事で、ダニエル・ピンク氏の「やる気に関する驚きの科学」というTEDのプレゼンテーションを紹介しました。

私もこの記事を書くために色々検索して初めて知ったのですが、天外さんもTEDに出られており、「燃える集団」の力や、「フロー理論」について語られていましたので、紹介したいと思います。

また、この動画の中で天外さんが、チクセントミハイ博士のプレゼンテーションにも触れていますので、そちらの動画についても下で紹介しておこうと思います。(日本語字幕付きですので、ご安心ください。)





また、上でも触れたダニエル・ピンク氏のプレゼンテーションも、今回の記事に関連する内容ですので、一応リンクしておきます。

プレゼンテーション面白さ、聞かせる力という意味では、この動画が1番で、楽しんで見ることが出来るのではないかと思います。





天外伺朗さんの『教育の完全自由化宣言!』

次に、天外さんの教育論ですが、このなかでも「フロー」は重要な位置づけになっています。

例えば、天外さんは著書『教育の完全自由化宣言!』の中で、「教育界への七つの提言」の4番目の項目として、次のように語っています。

(4) 子供たちが「フロー」に入る、ということを大切にした教育。

天外伺朗著 「教育の完全自由化宣言!」飛鳥新社(2008年)P.163より

 そして、四つ目のポイントが、この「夢中になる」ということだ。

[中略]

 私が提唱する「人間性経営学」では、その状態を最も重要視する。「燃える集団」も、皆が夢中にならなければ実現するはずはない。
 幼児期から、フロー体験を十分にしてきた人は、人間的にも成長し、能力も高い。
 フローを意識するか否かで、教育の質は格段の差がつくことは明らかだ。
 人間の本質はひとつであり、スポーツでも企業の経営でも、そして教育でも、同じ原理が通用するのだ。

天外伺朗著 「教育の完全自由化宣言!」飛鳥新社(2008年)P.154より

このように、天外さんの経営論にしろ、教育論にしろ、その重要なテーマとして「フロー」という状態が掲げられています。

そして、この「フロー」が重要であるということについては、私もまったく同意見です。


もちろん、このような教育方針に対しては、「基礎学力が低下する」、「“つめこみ教育”も必要だ」という批判もあるかもしれません。

しかし、本当にそうなのでしょうか?

天外さんは『教育の完全自由化宣言!』の中で、次のように語っています。

 最も知識が役に立ちそうな技術の世界、あるいは研究開発の世界でも、そのことは明らかだ。四二年間、その世界に身を置いて、おびただしい数の技術者、研究者と接してきて、それをしっかりとみてきた。

 ときどき、有名大学を優秀な成績で卒業してきた人が、企業の技術畑で全く役に立たないことがある。そういう人は、例外なく、勉強ばかりしてきて、何かに夢中になって取り組んだ体験を持っていない。つまり、熱心に勉強して、いい成績をとり、あふれるばかりの知識を身につけた人も、それだけでは実社会においてはほとんど役に立たないのだ。

 いまの教育だけに頼っていると、こういう実務能力のまったくない人が育ってしまう。教育の中に、本来必要な要素が欠けているのだ。

 それでも役に立つ人材が多く育ってくるのは、教育以外の趣味やクラブ活動などを通じて、個人的に身体性や情動とのリンクを身につけてくるからだ。技術が好きな人間だったら、何かしら物づくりに熱中した経験をしている。そのときに、身体的に把握する回路が生成され、知識と実世界が結びつくのだ。

天外伺朗著 「教育の完全自由化宣言!」飛鳥新社(2008年)P.153~154より

何かに熱中した経験がなければ、知識と実世界を結びつけることができず、いくら知識があっても実際にそれを役に立てることが出来ないというのです。

これを、長年ソニーの技術者として、数々の新技術の立ち上げに関わってきた天外さんが言うのだから説得力があります。また、私の少ない経験でも、実感として、このことが真実だということがわかります。

もちろん、例えば、基礎的な読み書きのような基本的なことについては、ある程度は「つめこむ」ことが必要なこともあるかもしれません。

しかし、その際にも、子供たちの「フロー」に配慮した教え方が必要になると思います。


この天外さんの教育論についても、書きたいことは他にもあるのですが、長くなってしまうので、ここではこのくらいにしておこうと思います。

もっと詳しく知りたい場合は、是非、天外さんの著作を読んでみてください。

(『教育の完全自由化宣言!』は、この記事を書いている2013年8月時点で、新品が売っているようです。興味がある場合は、下の画像からどうぞ。)

教育の完全自由化宣言!―子どもたちを救う七つの提言 (人間性教育学シリーズ)


「内なる情熱」が「フロー」をつくりだす!

「フロー状態」が大切なことはわかりました。でも、その肝心の「フロー状態」をつくり出すことが出来なければ意味がありません。

この「フロー状態」を起こすためにはどうすればよいのでしょうか?

天外さんは、チクセントミハイ博士の理論を参照しながら、「フロー」に入るために必要な主要な条件の1つとして、「内発的動機に基づいて行動している。」ということを挙げています。
天外伺朗著 「教育の完全自由化宣言!」飛鳥新社(2008年)P.140より

内発的動機……。

そう。「フロー状態」に入るためには、このサイトでも何度も大切さを伝えている「内なる情熱を生きること」が大切なのです。

(「内発的動機」という言葉の意味が分からない場合は、『「内発的動機付け」と「外発的動機付け」 小さな違いが、人生を変える』の記事をご参照ください。

また、ここでは「内発的動機」以外の条件には触れませんが、いずれは記事にしていきたいと思っていますので、ご期待ください。)


天外さんの著作を読むと、チームメンバーの「内発的動機」、「内なる情熱」を活かすことが出来なければ、CDやAIBOの成功もなかっただろうと思います。

そして、天外さんのそのような経験から、「人間性経営学」では、企業という組織の中でそのメンバーが「フロー」に入れるような環境をいかにしてつくるかということが論じられており、「人間性教育学」では、学校という社会の中で子供たちが「フロー」に入れるような環境をいかにしてつくるかということが論じられています。

一方で私は、自分が所属する企業や学校などの社会が変わってくるのを待つのではなく、一人ひとりの個人が、無理なく自然に「内なる情熱」を生き、より「フロー」で満たされた人生を生き始めるための物語(『真実の人生』)を公開しました。

ちなみに、“真実の人生”という言葉は、

“「私が生まれてきた理由は、きっとこれをするためだったに違いない!」と思えるほどの、内からあふれ出る情熱や、深い喜び、満足感などとともに生きる人生”

という意味で使っており、そんな人生を生きるための現実的な方法について書かれた物語になっています。

実は、このような物語を公開した背景には、「社会が変わるのには時間がかかる。そんなの待っていたら、いつになるかわからないから、一人ひとりが動き始めよう!」という意識がありました

しかし、今回届いた天外さんのレポートは、「想像以上の速さで社会も変わろうとしている」ということを感じさせるものでした。


「天外レポートNo73(2013.08.12)」

では、ようやく本題の「天外レポート」の内容に入っていきましょう。

「どうぞご自由に転送、引用して下さい」とのことですので、以下に、「天外レポートNo73(2013.08.12)」を転載したいと思います。

(メールで送られてきた文章のため、そのまま貼り付けると読みずらいので、多少、改行位置等を変更してあります。問題がある場合には、削除致します。)

天外レポートNo73(2013.08.12)

8月7日(水)に、文部科学省で約300人の職員を対象に講演をしました。

冒頭のあいさつで下村博文大臣は、「天外さんは、”教育の完全自由化宣言”という著作で、今まで皆さんがやってこられた教育行政を全面的に否定しておられます。今日もぜひ過激な講演をお願いいたします。文科省に対するひとつのショック療法と考えています」と、述べられました。

ここまで大臣に言われたら、きれいごとでは済まされません。ご期待に添うよう、過激な内容の話をしました。

今の日本の公教育は「与える教育」であり、献身的に国家や企業に尽くす「戦士」を育てることを得意としています。これを私は「国家主義教育学」と名づけ、議論しています。
明治政府は教育の基礎に、ドイツの哲学者フィヒテの教育学を採用しました。それは、列強の植民地にされなかったこと、東南アジアで唯一近代化を成し遂げたこと、などに貢献した一方で、全体主義化、軍国主義化して、ヒトラーのナチスドイツと組んで世界中を悲惨な戦争に巻き込んでしまう要因にもなりました。

戦後も一面廃墟の中から立ち上がり、戦勝国のイギリスやフランスを抜いて、日本とドイツが急成長しましたが、これも両国のバックボーンであるフィヒテの教育学のお陰といっていいでしょう。

教育行政は、一般に思われているより、はるかに社会のあり方に影響を与えます。日本の歴史には、フィヒテの教育学のプラス面もマイナス面もしっかり刻みこまれています。

現在の日本社会は、すでに危機的状態を脱しており、給与水準が高いため(ドル換算:50年で約40倍上昇)高度成長に戻る可能性はなく、「国家主義教育学」のめざす「ひとつの方向に猪突猛進する、洗脳された戦士」が熱烈に歓迎される緊迫した時代ではなくなりました。

これからの日本に必要なのは、自らの尊厳と価値観に立脚し、視野が広く、個性や独創性にあふれる人材、「生きる力」をしっかりと身に着けた人材でしょう。そういう人材は「引き出す教育」で育ちます。

「引き出す教育」の系譜は「人間性教育学」と名づけました。ルソーやフレーベルをはじめとして多くの教育学がその方向を示唆しています。シュタイナーやモンテッソーリ、最近話題のグリーンバーグのサドベリー教育なども、この系譜に含まれています。

私が一番問題にしているのは、日本の公教育にはこの「引き出す教育」が一切取り入れられていない事です。

「国家主義教育学」と「人間性教育学」の論争は、古代ギリシャから綿々と続いてきましたが、危機的状態になると「国家主義教育学」が優勢になります。ソクラテスは、教育者は助産婦のようであるべきだと「引き出す教育」を主張しましたが、それを紹介したプラトンは、晩年「与える教育」に主張が変わりました。その間、アテネはスパルタに滅ぼされ、悲惨な状況になったためと推定されます。

フィヒテが教育学を練ったのも、ナポレオン占領下のベルリンという屈辱的な状況下です。日本も、明治維新直後や終戦直後の危機的状況では、おそらく「与える教育」を導入せざるを得なかったと理解できます。

問題は、世の中が平和で安定した現在でも、「与える教育」が延々と続いてしまった事です。

「与える教育」というのは、「戦士」を育てるのが得意ですから、どうしても子どもたちに対する抑圧的な負担が高くなります。社会が危機的状況下では、子どもたちは必死にそれに耐えて期待に応えようとします。

しかしながら、いまのように平和で安定的な社会では、「洗脳された戦士」が歓迎されないことを敏感に察知した子どもたちは抑圧的な「与える教育」の負担に耐えることは困難です。

結果として、不登校やいじめが増加する、と私は解釈しています。

講演はかなり過激だったのですが、ことのほか好評で、熱心な質問が続き、予定時間を30分オーバーしました。
一回の講演で何かが変わるほど世の中は単純ではありませんが、何がしかの影響はあったと思います。

拙著『教育の完全自由化宣言』(飛鳥新社)は、2006年の第1次安倍内閣の教育再生会議に対する激しい批判を出発点としています。

いまの文部科学大臣の下村博文氏は、当時副官房長官の要職にありましたが、この本に着目し、直々に私に連絡をいただきました。

それ以来、2010年まで3年以上にわたって、私は下村さんの私的ブレーン集団「教育研究会」のメンバーとして、主としてこの本の内容を討議させていただきました。自分たちの政策を厳しく批判した人をブレーンに招くという事は生半可の度量ではできるものではありません。

下村博文著『下村博文の教育立国論』の政策部分には、本書の内容がかなり反映しています。与党時代、野党時代を経てこうして下村さんが文部科学大臣になった事はとても感慨深いです。

『教育の完全自由じゃ宣言』( 転載者注:『教育の完全自由化宣言!』の誤記と思われますが、『教育の完全自由じゃ!宣言』も悪くないですね )の冒頭に、2006年に朝日新聞に出た、さかなクンのコラムを紹介しています。わずか700字足らずの文章で、いじめの本質的な要因も、その緊急対策も、ものの見事に書ききっています。

・・以下引用・・

「(いじめが)魚のメジナでも発生することを発見した。せまい水槽に入れると、一匹を仲間はずれにして、みんなで攻撃を始めたのだ。けがをしてかわいそうなので、そのメジナを別の水槽に移すと、今度は別の一匹が選ばれて、ふたたびいじめが始まってしまった。”広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界の閉じ込めると、なぜかいじめが始まるのです”・・・(本書P15)」

フリースクール、シュタイナー校、サドベリー校など、「引き出す教育」を実施している学校ではいじめはありません。広い海と同じ環境が与えられているからでしょう。

いまの日本の公教育(与える教育)は、子どもたちをせまい水槽に閉じ込めているようなものなのです。


いじめっ子を処罰しましょうという発想は、その子は特別な悪い子であり、その子を排除すれば学校社会は健全に保たれる、という発想です。これはとんでもない間違いであり、いじめっ子は特殊な子ではなく、どこにでもいるいい子なのです。

ただ、狭い水槽に閉じ込められたことに耐えられなくなっただけです。

シュタイナーの著作を読むと、100年前の学校でもいじめが問題だった事がわかります。彼は「子どもたちに罪を背負わせてはいけない」と処罰を否定し、自然にいじめがなくなる教育的方法論を説いています(本書P34)。100年前の知恵にもっと学びたいですね・・・。

『教育の完全自由化宣言』の最初のタイトル案は『大脳新皮質シンドローム』でした。これは私の造語ですが、頭のいい人たちが軒並みとんちんかんなデシジョンをすることをいい、その要因を古い脳が活性化しないまま、新皮質の論理と言語だけで考えるからだ、という推理にもとづきます。いまの社会の病理的な様々な現象は、ほとんどこの言葉で説明がつき、知識偏重のいまの公教育が「大脳新皮質シンドローム」の患者を大量生産している、というのが本書の過激な主張です。

書いているうちに次第に教育問題に傾斜していったので、タイトルを『教育の完全自由化宣言』に変更しました。
前半は必ずしも教育の話ではなく、社会全体の中で「大脳新皮質シンドローム」の例をいくつか紹介しています。

何百億円という予算を消費する国家プロジェクトが、軒並み破綻しているという事実はあまり知られていませんが、これも「大脳新皮質シンドローム」の好例です。400億円を消費した次世代コンピュータのプロジェクト「第五世代コンピュータ・プロジェクト」が惨憺たる結果に終わった事は関係者の間ではよく知られています。

この本では、それとは別に250億円の予算を使い、日本中のコンピュータ会社と大学教授を巻き込んだ「シグマ・プロジェクト」に、私が百分の一にも満たない予算と11人のエンジニアで挑戦し、圧倒的に勝利したエピソードが載っています(P43)。

・・以下引用・・

「250億円をかけた、巨大な国家プロジェクトがガラガラと崩壊し、一幕の茶番劇と化したのだ。そのころ、通産省の局長が、わざわざソニーの社長を訪ねてきた。私のせいで国家プロジェクトが目茶苦茶になった、と文句をいいに来たのだ。局長の話を聞いて、思わず社長の口から洩れた言葉は”土井君(私の本名)はそんなに偉いのか!”だったと本人から聞いた。恐縮して陳謝することを期待していた局長は、さぞやあっけにとられただろう。まだ意気盛んだったころのソニーの話だ。その少し前に、シグマ・プロジェクトに批判的な記事を書いた新聞社の記者が、直後に地方に”島流し”になったことが、話題になっていた(P51)」

このエピソードは、大勢の識者を集めて委員会方式でやるマネジメントが、破綻の要因になる、という例のひとつです。これは国家プロジェクトだけではなく、国の施策の多くの局面で見られます。だからほとんど破綻するのです。これが「大脳新皮質シンドローム」の実体です。

もうひとつは、少人数でも、予算がなくても、「フロー」に入り、「燃える集団」と化したチームのすごさです。予算や人数よりも、人々の「やる気」を引き出すかどうかが、マネジメントの最重要課題なのです。

そういうマネジメントも、「フロー」に入るプロジェクトメンバーも「引き出す教育」で育ちます。
逆に「大脳新皮質シンドローム」の患者は、「与える教育」で育ちます。


今の日本にとって、どちらの教育が大切か、明白だと思うのですが・・。


なんと、天外さんが、文部科学省の職員、約300人に講演を行ったそうです。

結果、「講演はかなり過激だったのですが、ことのほか好評で、熱心な質問が続き、予定時間を30分オーバー」したといいます。

天外さん自身が「一回の講演で何かが変わるほど世の中は単純ではありません」と言っているように、この講演で社会が大きく動くということはないと思いますが、社会の変化を象徴する講演になったのではないかと思います。


さらには、このレポートを読むまで私も知らなかったのですが、天外さんが、現職の文部科学大臣(記事執筆時点)のブレーンを務めた経歴があり、その政策には、天外さんの主張が「かなり反映」されているというのです。

  • 「フロー理論」
  • 「外発的動機付け中心の社会」から「内発的動機動機付け中心の社会」へ
  • 「内なる情熱を生きること」……etc。

言葉は違えど、このようなテーマが、社会にこれほど受け入れられるということには、正直、少し驚きました。

もちろん、だからといって今すぐに国や教育が劇的に変わるということは期待できないと思います。

しかし、個人や民間が先に変わり始め、どうしようもなくなったところで国もそれを受け入れるという変化を予想していた私としては、結構な驚きでした。


喜ばしい変化。しかし……

しかし、これは喜ばしいことであると同時に、一部の人にとっては恐怖となるでしょう。

それは、外発的動機付け(=「アメとムチ」)による抑圧やコントロールの世界に慣れきってしまい、それ以外の方法を知らない人たちです。

もちろん、この記事を熱心に読んでくださっているような方であれば心配ないと思いますが、世の中にはそうでない人もたくさんいます。


他人の敷いたレールを上手に走ることが正しいと教えられ、それを目指し努力してきた人が、既に敷かれたレールなどには目もくれず、「内なる情熱」に従って自分の道を進む人を見たとき、どう思うでしょう?

お決まりのセリフ「最近の若い奴は……」を口にしながら、心の底では、深い充実感を感じながら自由に「内なる情熱」を生きる彼らに嫉妬することになるかもしれません。

さらに、もし彼らが「面白くもないことを、必死で耐えて努力する」変わりに、「心からやりたいと思えることに夢中で取り組んで」大きな成果を出してしまったらどうでしょう?


もちろん、このような出来事は、決して例外的な出来事ではなく、よくある出来事になるでしょう。

レポートの中で天外さんはNEWSのプロジェクトについて触れ、「250億円の予算を使い、日本中のコンピュータ会社と大学教授を巻き込んだ「シグマ・プロジェクト」に、私が百分の一にも満たない予算と11人のエンジニアで挑戦し、圧倒的に勝利した」と書いています。

このNEWSのプロジェクトにしろ、CDやAIBOの商品化にしろ、その裏には「燃える集団(≒「フロー状態」)」という現象があったといいます。

「フロー」に入った個人や集団には、大きな仕事を成し遂げる力があるのです。

また、これは天外さんの主張ではありませんが、他にも例えば『成功する芸術家と、成功できない芸術家。その運命をわけるものは?』という記事では、“誰もが「芸術家」として生きる時代”には「内なる情熱」に従った生き方ができる人材が求められるという趣旨のことを書きました。

何が言いたいのかといえば、社会が変わるにつれて、自分を押し殺して努力する人よりも、自分の本当にやりたいこと、内なる情熱を、楽しみながら生きている人の方が大きな成果を出すという光景を目にすることが増えてくるだとうということです。

もし、そんな光景を目にしてしまえば、嫉妬を通り越し、これまで必死に努力してきた自分のプライドが傷つくのを、ただ眺めることしか出来なくなってしまうかもしれません。



そして社会が、「内なる情熱」に従って、「フロー」に満たされた毎日を送ることが当たり前の世の中になってしまったらどうでしょう?

そこでは誰もが、心からやりたいと思えることをして、大きな成果をあげています。

そんな変わってしまった世界で、まだ「与えられた目標を努力して達成する」という価値観の人がいたらどうでしょうか?

例えば職場では、肩身が狭い思いをすることになるでしょう。いやそれどころか、場合によっては自分の居場所すら失ってしまうかもしれません。

家では、子供に自分の仕事のことを何と語ればよいのでしょうか?

死の瞬間には、何を思うのでしょうか?



上では少し過激なことを書きましたが、私はなにも、これまでの外発的動機付け(=「アメとムチ」)が支配する世界の中で必死に努力されてきた方を非難したいのでも、挑発したいのでもありません。

むしろ、「内発的動機」、「内なる情熱」を封印することを要求される社会の中で、大変な努力をされてきたことは、賞賛に値することだとと思います。


しかし、予想以上の速さで、時代は変わっています。

渡り鳥たちが、冬が近づいているにもかかわらず、「これまで、ここで生きてきたんだから」と言って、越冬地に渡っていかなければ、彼らはやがて環境の変化に苦しめられ、場合によっては命を失ってしまうかもしれません。

上では少し過激な書き方をしましたが、それは、この時代の変化を伝えたかったからです。

社会の変革も始まっている
画像:“TOKYO Night @45F” by Kondo Atsushi

世界が、外発的動機付け(=「アメとムチ」)による抑圧やコントロールの世界から、「内発的動機」、「内なる情熱」を中心とした世界に変わろうとしているとき、その流れに逆らうことは、冬に越冬地に向かわない渡り鳥のようになることを意味しています。

もちろん、命を失うということまではないかもしれませんが、環境の変化には悩まされることになるでしょう。


しかし、その対策は、決して難しいものではありません。

予想通りの回答だとは思いますが、それは、あらかじめ少しづつ「内なる情熱」に従った生き方へとシフトしていくことです。

そうすれば、社会が変わったからといって、そのの変化に途方に暮れることもありません。

それどころか、新しい社会に向けてのリーダー的役割を果たすことすら可能です。

いやむしろ、こんな長い記事をここまで熱心に読んでしまうあなたには、是非、そんな役割を果たしてもらいたいと思っています。



今からじゃ、遅い? 私にはムリ? ……そんなことは、ありません。

もちろん、突然、「内なる情熱に従った生き方にシフト」などと言われても、そんなこと出来ないと思われる方がいるのもわかっています。

しかし、決して、そんなことはないと思うのです。

人は誰でも、子供のころは自分の「内なる情熱」に従って生きていました。

小さい子供を見てください。

彼ら、彼女らは、何か報酬がもらえるわけでもないのに、無邪気に走り回っています。

親がエサで釣ろうとしても、一時的には釣られるかもしれませんが、すぐに忘れて、また「内なる情熱」を生き始めます。

そう。私たちの誰もが、「内なる情熱」を持って生まれてくるのです。


もし、それを感じられなかったとしても、それは「内なる情熱」を封印、抑圧して、それを感じる力を麻痺させてしまっただけのことです。

そして現在の社会で、「内なる情熱」を封印させてしまう一番の原因は、「そんなことじゃ生きてけない」という常識ではないかと思います。


しかし私は、方法さえ学べば、「内なる情熱」と、「生きていくこと」を無理なく、自然に、調和・両立させることは、決して不可能ではないと思っています。


度々宣伝にはなってしますが、そのための方法を伝えるために公開しているのが、『真実の人生』という物語です。

無料ですので、ここでチャンスを逃すよりも、騙されたと思って一度読んでみるのも悪くないと思います。




時代を先取りする人、時代に乗り遅れる人

人は、時代を先取りする人と、時代に置いて行かれる行かれる人に分かれます。

既に、こういった時代の流れを掴んでいる、この記事の読者である「あなた」には、是非、時代を引っ張るリーダーとして活躍して欲しいと思っています。

もちろん、時代の流れに対する嗅覚は人それぞれですから、信じる/信じないは、あなたの嗅覚で決めてください。

私と同じ意見を持つことを、強制するつもりはまったくありません。

しかしもし、私と同じ未来を感じて頂けるなら、是非、深い満足感とともに、内なる情熱を生きる“真実の人生”が当たり前の世界を、一緒につくっていきましょう。

世界も変わろうとしています。

早く始めれば早く始めた分だけ、時代を先取りすることができます。


私たちも、世界をリードするくらいの気持ちで、変わっていきましょう。

そして最後に、まだこの変化を知らないけれども、この変化の情報を必要としている、あなたの仲間のために、よろしければ、この記事を紹介していただければ幸いです。



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