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驚くべき“ありがとう”の効果-なぜ「感謝」をすると、「感謝したくなること」が起こるのか?

すべてに感謝しましょう!
最近、こういった言葉を目にすることがよくあります。

『理由はなくても、まずは感謝しましょう。先に感謝をしてしまえば、「感謝したくなるような出来事」が自然に起こるはずです。』
そんな話を、よく耳にするのです。

特に、心や精神性を大切にする人であれば、こんな話は、見飽きるほどに何度も目にしている言葉かもしれません。




すべてに感謝――。

とても美しい心がまえです。

しかし、もしかしたら、心のどこかで「たしかに素晴らしい心構えだけど、結局はキレイゴトだよね」と感じてしまう部分もあるかもしれません。

しかし、冷静になって現実的に考えても、この記事でこれから説明していくように、あなたが感謝の状態にあることは、あなたの人生を、あなたの周りの人々を、そして世界を感謝にあふれたものへと導く力を持っています。

そこで、今回の記事では、地に足をつけながら、「すべてに感謝」について考えてみたいと思います。

感謝の効果1―「感謝する」と決めれば、「感謝するにふさわしい世界」を体験できる

ではさっそく、感謝の効果について考えていきましょう。

まず第1に、心が「感謝」の状態にあると、世界の見え方が変わるはずです。

心が「感謝するんだ」と決めてしまえば、その状況が「感謝するに相応しい状況」に見える証拠が見つかるのです。


例えば、仕事で失敗して怒られてしまった場面を思い浮かべてください。

そんな時でも、「感謝している」という結論が決まっていれば、例えば、「今が戦国の世なら、仕事で失敗したら切腹だったかもしれないのに、怒られるだけですんで良かった。この時代に生まれられて幸せ。」という具合に、感謝できる証拠が見つかるかもしれません。

つまり、先に「感謝の状態」にあることを決めてしまうことで、「感謝できる状態にあることの証拠」が見つかるのですね。

これは、「確証バイアス」の考え方で説明することができます。

確証バイアスについては、下の参考記事で説明しているので、こちらをお読みください。

【 参考記事 】

あるいは、自分が意識を向けている先の情報ばかりが集まる「カクテルパーティー効果(選択的注意)」で説明することもできるでしょう。

【 参考記事 】
この参考記事で紹介している動画のように、「感謝」に意識を向ければ「感謝できること」が、「怒りや恨み」に意識を向ければ「怒りたくなることや、恨みたくなること」が見えてくるのですね。

そして、この「カクテルパーティー効果」が、感謝することの2つ目の効果につながってきます。

感謝の効果2―感謝はチャンスを引き寄せる

「感謝すること」の第2の効果。

それは、「チャンスに恵まれる」ということです。

ポスト・イットや、マジックテープの開発ストーリーを思い出してみてください。

【 参考記事 】

ポスト・イットの開発のきっかけは、「すぐにはがれてしまう、失敗作の接着剤」が出来たことでした。

マジックテープは、「服にくっついてくる邪魔な木の実(ゴボウの実)」がきっかけに生まれました。


もし彼らが、「すぐにはがれる接着剤」をただの失敗作としてしか扱わず、それ以上の探求をしなければ、その接着剤は、本当に「ただの失敗作」以上の何者にもならなかったでしょう。

「服にくっつく邪魔な実」も、ただの邪魔者としか見なさなければ、「ただの邪魔者」以外の何物でもないはずです。

もちろん、彼らが、「失敗作の接着剤」が出来た時や、「服に木の実がびっしりと付いてしまった時」に、本当に感謝の念を抱いていたのかと聞かれれば、それは、彼らにしかわからないことです。

しかし、彼らが、「すぐにはがれる接着剤」や「邪魔なゴボウの実」を、ただの失敗作や邪魔者以上の何かとして扱ったことは間違いないでしょう。(詳しくは、上で紹介した参考記事を参照)

彼らが本当に感謝したかどうかは置いておくにしても、もし、彼らのような逆転劇を“意図的”に、そして“効率的”に起こしたいとしたら、いったいどうすればいいのでしょうか?

そのための有力な方法の1つが、「先に感謝してしまうこと」なのです。


つまり、「すぐにはがれてしまう失敗作の接着剤」を開発してしまったとしても、「理由はよくわからないけど、これはきっと何かのチャンスにつながるはずだ」と決めて、先に感謝をしてしまうということです。

その出来事の「嫌な側面」ではなく、「(まだ見つかってはいないけれど、きっと存在する)嬉しい側面」に意識を向けるということです。


そうすれば、「カクテルパーティー効果」によって、その出来事の「うれしい側面」につながるための「何か」を、あなたの意識は自動的に探し始めるはずです。

参考記事の動画を思い出してください。

【 参考記事 】

「カクテルパーティー効果(選択的注意)」は、何に意識を向けるかという“意図”さえ決めてしまえば、あとは難しいことをしなくても、自動的に発動していたはずです。

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感謝の効果3―感謝は、人間関係の潤滑油

あるいは、そんなに複雑に考えなくても、「感謝は人間関係の潤滑油」だということもできるでしょう。

単純に考えて、「いつも感謝してくれる人」と、何かをしてあげた時でさえ「やってくれて当然という態度の人」。

ふつうの人が、どちらの人と付き合いたいと思うかは、わざわざ書くまでもありません。




また、誰かに対して先に感謝してしまうことも、その人「よい面」を見つけることを助けてくれるでしょう。

「よい面」を見つけることができれば、その人との関係も円滑になるはずです。

これは、上で説明した、感謝すると先に決めてしまうことで、感謝するにふさわしい点が見えてくる効果の一種ですね。

(ただし、残念なことではありますが、現状では人間は善人ばかりではないのが現実ではありますので、ある程度の他者に対する警戒というものも必要です。

しかし、悪人からも学ぶことはあるでしょうから、悪人には、何かを学ばせてもらったことを感謝してみるのがいいかもしれません。)

感謝の効果4―感謝は、平“和”で“楽”しい人生の原動力

感謝が人間関係の潤滑油になるのだとしたら、感謝は「人と人の“和”が成り立つこと」を助けるものだと言えるでしょう。

人と人の“和”は、まわりまわって、あなたが人生を“楽”しむことを助けてくれます。


【 参考記事 】


また、上の参考記事ほどまでに難しく考えなくても、身近な人間関係に“和”があるのか、“和を取り繕って”表面的にいい関係を演じているのかでは、人生の“楽”しさが大きく変わることは、おそらく誰にとっても納得のいくことでしょう。

感謝は、感謝する相手のためだけではなく、めぐりめぐって、自分のためにもなるのです。

情けは人のためならず」という諺(ことわざ)がありますが、この場合は「“感謝”は人のためならず」ですね。

感謝の効果を活かすには?

ここまで、感謝の効果について説明してきました。

ですが、いくら感謝の効果を知ったところで、実際に感謝の気持ちになれなければ意味がありません

「すべてに感謝。」

こうやって言葉にするのは簡単ですが、実際に実行に移そうと思うと、なかなか簡単にはいかないものです。


実際、こんな記事を書いている私自身も、「あんな奴には感謝したくない」と思ってしまう相手もいますし、「どうして、こんな状況に感謝なんかできるんだ」と思ってしまうこともあります。

ましてや、「すべてに感謝する」などということとは、程遠い状態です。


とは言っても、せっかく感謝の効果を知ったのに、それを活かせないのでは、もったいないとしか言いようがありません。

では、「アイツだけには感謝したくない」、「こんな状況で感謝なんかできるわけがない」という心境の時には、いったいどうすればいいのでしょうか?

このテーマについては、記事を改めて考えてみることにしましょう。



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